税金・年金・保険・お金 読了 約3分

海外移住の前に日本の年金はどうする?

公開 2026年9月7日 Verified2026年9月12日
KUNIGAE

先に答え

  • 海外転出後は国民年金の強制加入ではなくなるが、任意加入を選べば加入を続けられる
  • 「手続きをしない」も選択のひとつになってしまうため、入らないと決めたのかどうかを意識する
  • 赴任先と日本が社会保障協定を結んでいれば、両国で二重に保険料を払わずに済む場合がある
  • 脱退一時金は短期在留の外国人向けの制度で、日本人が海外転出したときの制度ではない
この記事の航路(目次)
  1. 日本年金機構が案内している3つの論点
  2. 脱退一時金と混同しないこと
  3. いつ何をするか
  4. Q&A

移住や赴任の準備をしていると、年金は後回しになりがちです。ビザ、学校、住まい。目の前のことが多すぎて、「あとで調べよう」のまま出国日が来ます。

先に答えを書きます。海外に転出すると国民年金の強制加入ではなくなります。ただし、任意加入を選べば日本の年金制度に加入し続けられます。

ここで重要なのは、何もしないことが「加入しない」という選択になってしまう点です。手続きを忘れたのか、考えたうえで入らないと決めたのか。この2つは結果が同じでも、意味が違います。出国前に、自分がどちらなのかをはっきりさせてください。

日本年金機構が案内している3つの論点

日本年金機構は「海外への転出/海外からの転入 海外在住の皆さま」というページで、海外に出る人の手続きをまとめています(2025年9月11日更新・2026-09-12確認)。案内されているのは大きく3つです。

1. 国民年金の任意加入

日本の年金制度に継続して加入するための手続きです。海外転出後も加入月数を積み上げたい場合はこれを選びます。手続きは市区町村または年金事務所で行います。

判断材料はこれまでの加入月数です。ねんきん定期便かねんきんネットで確認できます。出国してからでは日本の郵便が届かないので、出国前に見ておいてください。

2. 厚生年金保険(会社員として赴任する場合)

海外へ転勤・転職するときの手続きと、扶養家族が同行するときの手続きが案内されています。会社員として赴任する場合、厚生年金の扱いは勤務先経由で決まります。

ただし、勤務先がやってくれる範囲は会社によって違います。帯同する配偶者の国民年金まで見てくれるとは限りません。「会社が何を処理して、自分が何を処理するのか」を先に切り分けてください。

3. 社会保障協定

日本年金機構のページには、社会保障協定を結んでいない国で働く場合、次に該当すると海外の社会保障制度に加えて日本の社会保障制度にも加入しなければならないことがあると書かれています。

  • 日本国内で被用者として就労する人が海外に派遣される場合
  • 日本国内で自営業者である人が海外で自営活動を行う場合

つまり、協定のない国だと二重に保険料を払う状況が起こりえます。協定がある国なら、どちらの制度に加入すべきかが決まり、適用証明書の手続きがあります。渡航先が協定国かどうかは、同じページの「社会保障協定の締結状況」から確認できます。

脱退一時金と混同しないこと

検索していると「脱退一時金」という言葉が出てきます。これは短期在留の外国人が日本を離れるときの制度で、日本年金機構のページでも短期在留外国人に関するQ&Aとして案内されています。

日本人が海外に転出するときに、払った保険料が戻ってくる制度ではありません。ここを取り違えると、前提から計画が狂います。

いつ何をするか

  1. 3か月前 — ねんきん定期便かねんきんネットで加入月数を確認する
  2. 2か月前 — 赴任先が社会保障協定の締結国かを日本年金機構のページで確認する。会社員なら勤務先に厚生年金の扱いを聞く
  3. 1か月前 — 任意加入するかどうかを決める。するなら市区町村または年金事務所で手続き
  4. 出国直前 — 保険料の納付方法を決める。日本の口座を維持できるかを銀行に確認する

年金の手続きは、転出届を出すかどうかと連動します。住民票を抜くかどうかで国民年金の扱いも国民健康保険の扱いも変わるため、そこから決めてください。全体像は出国前手続きチェックリストにあります。

Q&A

任意加入すると、将来いくら増えますか

加入月数と保険料の額で決まるため、個別の計算になります。年金事務所で試算してもらうのが確実です。当サイトは個別の金額の計算は行いません。

移住先の国の年金にも入りますか

国によって、居住者に加入義務がある制度とない制度があります。社会保障協定がある国なら、どちらに加入するかのルールが定まっています。協定がない国では、両方に加入する状況が起こりえます。

帰国したらどうなりますか

帰国して転入届を出すと、国民年金の扱いも戻ります。任意加入していた場合は、その期間の加入月数が積み上がった状態で再開します。

家族の分はどうなりますか

帯同する配偶者が第3号被保険者だった場合、赴任の形態によって扱いが変わります。本人の手続きだけで済むと思っていると抜けやすい部分なので、年金事務所で世帯単位で確認してください。


お金まわりで出国前に決めることは、年金のほかに住民税・納税管理人・準確定申告・銀行口座があります。連動する順番も含めて出国前手続きチェックリストにまとめました。

よくある質問

任意加入しないとどうなりますか

その期間は加入月数に算入されません。将来の受給資格や金額に影響します。ただし「入らない」ことが常に不利とは限らないため、加入月数を見たうえで判断してください。

海外にいながら保険料を払えますか

納付方法の選択肢と、日本の口座を維持できるかがポイントになります。日本の金融機関の非居住者の扱いは各行で違うため、口座の扱いを先に確認してください。

会社の赴任なら手続きは不要ですか

厚生年金の扱いは勤務先経由で決まりますが、家族の国民年金や社会保障協定の適用証明書は別の手続きになることがあります。勤務先が何をやってくれるのかを先に聞いてください。

Verified2026.09.12

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