自宅・引越し・荷物 読了 約4分
海外引越しの費用はどう決まる?
先に答え
- 料金は「容積 × 仕向地 × 輸送手段」で決まり、公的な料金表は存在しない
- だから相場を調べるのではなく、同じ荷物リストで複数社に出すのが唯一の比べ方
- 船便は1〜2か月、航空便は1〜2週間。到着時期の差が現地での生活の立ち上がりを左右する
- 「見積もりに含まれない範囲」を先に聞く。現地の通関・配送・開梱が別料金のことがある
海外への引越しを調べ始めると、まず金額が出てきません。国内の引越しなら「単身で◯万円」という感覚がありますが、海外は検索しても幅が広すぎて参考になりません。
先に答えを書きます。**海外引越しの料金は「荷物の容積 × 仕向地 × 輸送手段」で決まり、公的な料金表は存在しません。**国内引越しのような標準運賃の枠組みが海外にはなく、各社が個別に見積もるためです。
だから、相場を調べるのは筋が悪い調べ方になります。やるべきは、同じ荷物リストを複数社に渡して、同じ条件の見積もりを並べることです。これ以外に比べる方法がありません。
金額を決める3つの変数
1. 容積
海外引越しは重さではなく容積(立方メートル、または才)で計算されます。ダンボール何箱、家具何点という単位ではなく、積んだときに何立方メートルになるかです。
つまり、荷物を1割減らせば料金も概ね1割下がります。金額を下げたいときに効くのは、業者を変えることより荷物を減らすことです。
2. 仕向地
同じ荷物でも、行き先の国と都市で金額が変わります。港があるか、内陸か、現地での配送距離はどれくらいか。アジアと欧州でも違いますし、同じ国でも都市で違います。
3. 輸送手段
| 到着までの目安 | 使いどころ | |
|---|---|---|
| 船便 | 1〜2か月 | 家具・食器・季節外の衣類など、すぐ要らないもの |
| 航空便 | 1〜2週間 | 寝具・調理器具・仕事の道具・子どもの学用品 |
| 現地調達 | — | かさばるもの、電圧が合わないもの |
多くの家庭は併用します。生活の立ち上がりに必要なものだけ航空便で送り、残りを船便に回す形です。
見積もりで揃えるべき5つの条件
複数社に出すとき、次の5つを全社で同じにしてください。どれかがずれると比較になりません。
- 荷物リスト(点数と容積) — 部屋ごとに「持っていく/置いていく/処分する」を仕分けた1枚
- 船便か航空便か、併用か — 併用なら、どれを航空便にするかまで指定する
- ドア・ツー・ドアか、港渡しか — 現地での通関・配送・開梱が含まれるかで総額が変わる
- 梱包を誰がやるか — 業者が全部やるのか、自分で箱詰めするのか
- 保険の有無と補償範囲 — 破損・紛失時の扱い。別料金か込みか
「含まれない範囲」を先に聞く
安く見える見積もりが、現地での通関手数料・配送料・開梱作業を含んでいないことがあります。最初に「この金額に含まれないものを全部教えてください」と聞くと、あとから積み上がる分が見えます。
通関でつまずくもの
現地の通関で課税されたり、持ち込みが制限されたりするものがあります。国ごとに違うため、見積もりの時点で業者に確認してください。よく問題になるのは次の種類です。
- 新品の品物 — 使用済みの家財は免税でも、新品は課税対象になる国がある
- 電化製品 — 台数の制限や課税がある。電圧・プラグの形も要確認
- 食品・調味料 — 持ち込み禁止の国がある
- 医薬品 — 処方薬の量と、医師の証明の要否
- 酒・たばこ — 免税範囲を超えると課税
- 骨董・美術品 — 輸出入の手続きが別にかかることがある
別送品(あとから送る荷物)の申告も、入国時の手続きとセットです。必要な書類といつまでに用意するかを、業者に聞いてください。
郵便はどうなるか
日本郵便の転居・転送サービスは、国内の新住所への転送サービスです。海外には転送されません。
そのため、日本国内に受け取ってくれる人(実家・納税管理人)を決めて、そこに転送をかけるのが現実的な運用になります。転送期間は届出日から1年なので、長期滞在なら期限が来たときに誰が更新するかまで決めておく必要があります。
郵便を含む出国前の手続き全体は出国前手続きチェックリストにまとめてあります。
いつ動くか
- 3か月前 — 部屋ごとに仕分けて荷物リストを作る
- 2か月前 — 複数社に同じリストで見積もりを依頼する。訪問見積もりを受ける
- 6週間前 — 業者を決める。船便・航空便の振り分けを確定する
- 1か月前 — 処分するものを片づける。粗大ごみは自治体の回収に間に合わせる
- 2週間前 — 船便の搬出
- 出国直前 — 航空便の搬出、郵便の転送手続き
船便は搬出から到着まで1〜2か月かかるので、搬出は出国より前になります。搬出後の生活をどうするかまで含めて逆算してください。
Q&A
単身赴任で荷物が少ない場合は
段ボール数箱程度なら、家財一式の海外引越しではなく小口の別送品サービスのほうが合うことがあります。箱数で料金が決まる形の見積もりも取って比べてください。
車は運べますか
運べる場合もありますが、現地の規制(年式・排ガス・ハンドル位置)と課税で、現地で買うより高くつくことが多くあります。通常は日本で処分するか名義変更することになります。
荷物を日本に置いていく選択は
トランクルームに預ける方法があります。滞在期間 × 月額で総額を出して、運ぶ場合の金額と比べてください。期間が長いほど、預けるより処分したほうが安くなる境目が来ます。
見積もりを取るときの確認項目はサービス比較一覧にも表にしてあります。
よくある質問
船便と航空便はどう使い分けますか
到着までの時間が違います。船便は1〜2か月、航空便は1〜2週間が目安です。生活の立ち上がりに必要なもの(寝具・調理器具・仕事の道具・子どもの学用品)だけ航空便、残りを船便にする併用がよく使われます。
家具は持っていくべきですか
容積が料金を決めるため、家具は費用に効きます。現地で買い直した場合の金額と、運んだ場合の増額を比べてください。電圧が違う国では、日本の家電がそのまま使えないこともあります。
荷物が届く前の生活はどうしますか
船便だけにすると、到着まで1〜2か月は最低限のもので暮らすことになります。家具付きの住居を最初の数か月だけ借りる、という選び方もあります。
この記事の数字は、以下の公式ページを上記の日に直接開いて確認しました。
- 日本郵便「転居・転送サービス」 日本郵便